2023年7月25日 5時00分

PFASの汚染

 夏にふさわしく、きょうは怪異な(かいいな)お話を。明治の新聞は、ときに挿絵付き(さしえづき)で、不可思議な出来事を伝えることがあった。死者の出た家で青白い提灯(あおじろいちょうちん)が深夜に飛び交った話、大きな沼の中から声が聞こえてきた話……▼うそかまことか信じるのは読者次第(どくしゃしだい)、というところだろう。さて、時代くだって先日のこと。じつに背筋のぞっとする話が弊紙(へいし)にあった。舞台は、東京にある米軍横田基地▼2010年から12年にかけて、ここで有機フッ素化合物(PFAS、ゆうき ふっそ かごうぶつ)を含む泡消火剤(泡しょうかざい)が3回漏れ出した。分解されにくく、健康への影響が懸念されている化学物質(かがくぶっしつ)だ。なのに発生から10年以上もたって、ようやく事実が公表された▼さらに驚くことに、防衛省は、19年には米側から報告を受けていたのだという。漏出(ろうしゅつ)のうち1回は、1年以上にわたって約3千リットルも地下に染み込んだ(しみこんだ)という事案だ。地下水を通じて、影響が付近に広がっていないか。地元に一報(いっぽう)だけでも伝えて、あたり前だろう▼4年半も情報を抱えたままだった。理由を聞くと、冷えた背筋は凍りつく(こおりつく)。防衛省は「公表可能な内容を米側と調整するのに時間がかかったうえ、省内の引き継ぎが不十分だった」と説明した。きっと狐に化かされていた(狐に化かされる 【きつねにばかされる】 (exp,v1) to be deceived by a fox )のだろう。そうでもなければ、なかなか信じがたい対応である▼提灯のお化けや沼の声の主は、人を脅かすことはしても、水や土を汚して放置することはなかった。現代版の怪談にくらべると、あちらのほうが、よほど長閑(のどか)に思える。


有機フッ素化合物(PFAS、ゆうき ふっそ かごうぶつ)

全氟/多氟烷基物質 (Per/Poly fluoro alkyl substances, PFAS) 是一類化學性質穩定的合成物質,因為具備防水、防油、及摩擦力小的特性,廣泛被用來作為表面塗料,如衣物、紙張護膜、食品包裝材料、炊具、消防泡沫等,其中產量最大的是全氟辛烷磺酸 (Perflurooctane sulfonic acid, PFOS) 與全氟辛酸 (Perflurooctanoic acid, PFOA)。在生產鐵氟龍 (聚四氟乙烯) 材料的過程中,需要加入PFAS如PFOA或PFOS作為助劑,在最終鐵氟龍產品中多少會有所殘留。

食品中是否存在風險?   PFAS十分穩定的特性雖然帶來了許多應用,但卻也不易被自然分解,在環境中有高度持久性,在生產PFAS過程中可能會汙染附近環境的飲用水及土壤,並藉此進入生態鏈中汙染動植物。美國FDA於2019年曾發表一項研究調查,在巧克力蛋糕、香腸、羅非魚等食品中發現PFAS的蹤跡,除了環境及水源汙染外,食品接觸材料也可能是PFAS的來源,如爆米花袋、披薩襯紙、鐵氟龍不沾鍋等,家庭中常使用的鐵氟龍不沾鍋若高溫乾燒或者鍋具刮傷會有溶出PFOS或 PFOA的風險。目前世界各國仍在評估這類化合物對於人體的健康風險。