2023年5月16日
ペンライトとうちわ
PENLIGHT(ペンライト)。故ジャニー喜多川氏による性暴力疑惑で、検証と謝罪を求めて署名活動をしている団体の名前に、ファンの思いを垣間見た気がした。ペンライトとうちわは、ジャニーズ事務所の所属タレントのファンにとって「必需品(ひつじゅひん)」だからだ▼多くは、ライブツアーのたびに公式のペンライトを買い替える(かいかえる、新しく買って,今までのものととりかえる)。他の観客の邪魔になるため、頭上で振るのは禁止だ。顔写真が付いた公式うちわも、胸の高さに抑えて持たなければいけない▼うちわを手製で飾り付けたいなら、サイズは縦28・5センチ、横29・5センチまでと決められている。61年前の創業以来、多数の男性アイドルを送り出してきた同事務所は、ファンとの間に独特の「ルール」も築いた▼喜多川氏から性被害を受けたとの告発で、事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪動画と書面を公開した。行為を「知らなかった」とし、第三者機関による検証もしないという。芸能界に絶大な(ぜつだいな)影響力を持ち、ファンを仕切ってきた立場の回答として納得(なっとく)できるものではない▼当事者の喜多川氏がおらず、事実認定は「容易でない」とも。だが、被害者が抱える精神的な苦痛は、時間がたっても消えはしない。独立した調査と検証がないままではネットなどで臆測が広がり、二次被害も懸念される▼署名団体の発起人の女性は、ファンを続けると「性暴力の容認になるのではと悩んだ」という。タレントに罪はないのに、そのファンを苦しめていることにも、怒りを覚える。
ジャニー 喜多川(ジャニー きたがわ、Johnny Kitagawa、1931年10月23日 - 2019年7月9日)は、ジャニーズ事務所創業者。日本名は喜多川 擴(きたがわ ひろむ)[4]。英語名はジョン・ヒロム・キタガワ(John Hiromu Kitagawa)
ジャニーが事務所に所属する男性タレントに対して猥褻な行為を行っているという噂は1960年代からあり、日本の一部の出版社で報じられていた。
2019年7月25日号の『週刊文春』は、「本誌しか書けない稀代のプロデューサーの光と影 ジャニー喜多川審美眼と『性的虐待』」と題し新証言を報じている。嵐のメンバーと同年代の元ジャニーズJr.が、ジャニー喜多川の誘いに抵抗したらステージの隅に追いやられたこと、ファーストキス((英: first kiss)はジャニーだったことなどをインタビューで答えている.
ジャニー喜多川氏は日本のポップカルチャー、日本のアイドル文化を作り上げた立役者だった。喜多川氏が創設した男性のみのタレント事務所「ジャニーズ事務所」は、人気男性アイドルグループを次々と世に送り出した。「チャート1位を獲得した歌手を最も多くプロデュースした人物」としてギネス世界記録にも認定された。「最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物」、さらには「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」にも認定されている。
一方で、喜多川氏には性的搾取の疑惑が、常につきまとっていた。しかも、密室でささやかれただけではない。全国的な報道機関が取り上げ、その一部は民事裁判で認定された。それでも、喜多川氏は晩年まで国の宝とされた。2019年に87歳で亡くなった後も、今なお崇拝されている。