2024年1月28日 5時00分

指名手配の男の名は?

 諸葛孔明(しょかつこうめい)と言えば、三国志に出てくる希代の軍師だが、中国ではもっぱら諸葛亮(しょかつりょう)と呼ばれている。姓氏(しょうじ、せいし)の諸葛は同じであっても、その下は、はて、孔明なのか、亮なのか。かつて中国語を習い始めたころ、首を傾(かし)げてしまった▼孔明は字(あざな)であり、亮は名である。古代中国において、名とは極めて大事なものだった。両親以外が口に出して呼ぶことは、ひどく忌み嫌われる(いみきらわれる)。普段はいわばあだ名のような字で呼び合い、名はその人の死後、広く使われた▼1970年代の連続企業爆破事件(ばくはじけん)で、指名手配されていた容疑者の名が、にわかに衆目を集めている。神奈川県の病院に入院した末期がんの男が「自分は桐島聡だ」と名乗ったという。本人しか知り得ない話もしたとか▼ああ、あの男か。交番に貼られた白黒の手配写真を思い出し、うなずいた方は多いだろう。時代がかった長髪(ちょうはつ)に太い縁(ふといえん)のメガネ、にこやかな笑みが印象的な写真である。ただ、正直言って、私は名前までは覚えていなかった▼「最期は桐島聡で死にたい」とも喋(しゃべ)っているそうだ。本人ならば、半世紀に及ぶ逃亡を経て、いま70歳。偽の名(にせのな)の半生(はんしょう、はんせい)の長さは、実の名で過ごした歳月の2倍半にもなるか。何とも驚きである▼彼にとって、自分の名とは何だったのだろう。死を前にし、本名を取り戻したいと思うのは、罪の意識からか、悔恨(かいこん)か、あるいは逃げ切ったとの感なのか。聞き慣れぬ名をつぶやきながら、想像する。その胸中(むねなか)に去来(きょらい)しているであろう、暗き(くらき)何かを。

桐島 聡(きりしま さとし、1954年(昭和29年)1月9日 - )は、1970年代の日本のアナーキズム系新左翼過激派である東アジア反日武装戦線のメンバー。同派による連続企業爆破事件の容疑者として全国に指名手配されている。  捜査関係者によると、男は今月、同県鎌倉市の病院に入院した際、健康保険証を提示せず「ウチダ」と名乗ったが、25日になって病院関係者に「自分は桐島聡」と明かした。末期の胃がんで、容体は重篤だという。

桐島聡.png

1974年至1975年(昭和49年至50年)間,東京有多家朝海外拓展事業的企業如三菱重工、三井物產,陸續成為這個組織的攻擊目標,總共發生12起爆炸案。最嚴重的是1974年8月30日光天化日之下發生於東京千代田區三菱重工大廈爆炸案,造成8名午休中的員工喪命,傷者多達380人,其中165人重傷。