2024年7月18日 5時00分
お札の未来
守礼の門(しゅれいのもん)が描かれた2千円札は、沖縄でどれほど普及しているのか。数年前、現地の宴席で幹事役をした時に「財布にあるなら出して」と呼びかけた。出るわ出るわ。県内での流通量は右肩上がりというから、今はさらに進んでいるかもしれない▼本土では、事情が一変する。最後に手にしたのはいつだろう。先日訪れた東京・王子(おうじ)の「お札と切手の博物館」でも、陳列された2千円札を前に、来館者が「まだ使えるんだよね?」と確かめあっていた▼発行されたのは2000年7月19日。あすの日付(ひづけ)だ。あとを追って04年に登場した1万・5千・千円の各紙幣は今回、一新された。でもこちらは据え置きに。あるのは知っているけれども、使ったことがない――そんな存在になりかけている▼だが新しい紙幣だって、ゆくゆくは同じようにならぬとも限らないだろう。近所のスーパーに少し前、無人レジが導入された。ずらりと並ぶ端末の中で、現金を受け付けるほうが少数派なのには驚かされた。財布はほとんど持ち歩かない、という若い同僚も珍しくない。どうやら、自分のような現金派は、時代遅れになりつつあるらしい▼キャッシュレス化がもっと広がれば、いつかあの世へ行く時、三途(さんず)の川のほとりで渡し賃(わたしちん)をとる番人からも言われるだろう。「お支払いはPayPayですか、現金ですか」。やれやれ▼時代は変わる。先端を行く人、遅れまいと焦る人。最後尾をのんびりゆきながら、やっと手にした新しいお札を眺める。
二千円紙幣(にせんえんしへい)は、現在流通している日本銀行券の1つ。二千円札(にせんえんさつ)、二千円券(にせんえんけん)ともいわれる、額面2,000円の紙幣であり、紙幣券面の表記は『弐千円』である。
沖縄県内など一部地域では流通しているものの、他の地域ではほとんど使用されていない状況にあり流通量はごく僅少である[
北里 柴三郎/きたざと しばさぶろう 神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら) 多花紫藤(たばなしとう)