2024年9月3日 5時00分
ウラ番組がつまらない
ウラ番組(ばんぐみ)がつまらない。いつもの番組は茶番が過ぎて、別のチャンネルに替えようとリモコンをいじったものの、目に入ってきたのが、かつて不評を買った番組の再放送とは……。ひょっとして、そんな失望感を覚えた方はいないだろうか▼立憲民主党の代表選である。自民党の総裁選を横目に、最大野党が何を見せてくれるかと期待する人も多かろうに、出馬を表明したのは前代表と元首相。「昔の名前で出ています」は良くない、との冗談が現実になったようだ▼この党は誰も、リーダーの人材を育ててこなかったのか。嘆き節(なげきぶし)も響くなか、現代表の立候補も不透明だそうで、混迷ぶり(こんめいぶり)は推して知るべし。古き政治にしがみつく自民党との違いをアピールするのに、相も変わらぬ(あいもかわらぬ)「―貧乏暮らし」古い顔ぶれのままでいいのか▼そもそも来たる総選挙に向け、いま野党がすべきは何なのだろう。自民党は、3年間の岸田政権に直接の審判が下されるのを避けたいらしい。その看板の掛け替えによる「刷新感」の印象づけに、どう対抗するのか▼人気ニュース番組(ばんぐみ)の名物キャスターだった久米宏(くめ ひろし)さんが自著で振り返っている。視聴率が低迷していた際、スタッフに二つを求めたそうだ。いわく内輪の事情ばかり考えず、自分たちのウラ番組をちゃんと見ること、そして、街を歩くこと▼いまの野党にも同じように言いたい。民主主義の最大の力は、変わることができることだ。政権交代の選択肢を、国民に堂々と示してほしい。ここはぜひ、新しい姿で。
「嘆き節(なげきぶし)」とは、音楽や文学において使われる表現方法で、悲しみや苦しみを訴える感情を表現するものです。特に日本の伝統音楽や演劇、文学作品においてよく見られます。
あいもかわらぬ あひ―かはら― 【相も変わらぬ】 (連語) 「相変わらず」を強めた言い方。多く否定的な事態について言う。「―貧乏暮らし」
9月7日に告示される立憲民主党の代表選挙は、これまでに枝野前代表と野田元総理大臣の2人が立候補を表明しています。また、再選を目指す泉代表ら複数の陣営の間では、告示を前に、候補者調整の動きが活発になる見通しです。
立憲民主党の代表選挙は、7日に告示され、23日に投開票が行われます。