§2023-04-25
国の特別史跡・五稜郭跡の堀で乗れる手漕ぎボート。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉を楽しみながら堀を一周できる。冬期休業。天使の羽が描かれた雨戸前は人気撮影スポットでもある。
江戸時代の末期(1864年)に築造(ちくぞう)された五稜郭。中心に江戸幕府の役所である箱館奉行所(ぶぎょうしょ)を備え、周囲をぐるりと星形(ほしがた)の土塁と堀で囲んだ城郭(じょうかく)です。現在も豊かに水を湛える堀で、手漕ぎボートを楽しむことができます。
野田貸ボート店は、1922(大正11)年から五稜郭の二の橋近くで営業する老舗。強化プラスチック製のボートを25艇を貸し出しています。堀は一周1.5キロほどで、たいていの人(odinary)が30~40分で一周してくるそう。もっとゆったりしたい人は、乗り場付近でゆっくり漕ぎながら、土手の並木を眺めたり、飛んでくるカモメと戯れたり(ざれたり)、水の上の心地よい風に吹かれているのもいいでしょう。春はサクラ、夏は新緑、秋は紅葉と、豊かな自然が感じられます。
2人で乗ってみましたが、女性1人でも漕ぐのはむつかしくなく、慣れてくるとスイスイ進むのが嬉しくなります。橋の下をくぐったり、石垣に近づいたり、堀の周りを散策するのとはまた違った光景が楽しめました。なお、酒気帯びの方は乗船できません。
このボート店の雨戸には、大きな羽が2枚描いてあります。店が閉まっている時には、その前に立つとまるで天使になったよう! 地元の若者や通りかかった観光客のかたに大人気です。また、五稜郭公園のキャラクター、堀を泳ぐコイの妖怪をイメージした「五っしー(ごっしー)」も、この店ゆかりのアイドルです(出現は不定期)。五稜郭の星型が頭から背にかけて並んでいるのが特徴。店主の野田ゆみこさんは、「箱館戦争で多くの死者が出た歴史を越えて、愛と平和のシンボルになってくれれば」と話します。